沖縄住まい/不動産コラム



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2009年06月11日12:02

網入りガラス

>不動産:用語・知識の記事

マンションなどに窓ガラスに網目が入っているものをよく目にしますよね。あれを「網入りガラス」と言いますが、このガラスについても勘違いされている方も多いので、ここで綴ってみたいと思います。

もともと網入りガラスは防犯上、ガラスを割られても中に入ることができないというメリットもありますが、一番の目的は防火性。このガラスが使われる場所は隣戸や近隣から延焼のおそれがある部分がメインで、具体的な場所で言うと「隣りの住戸や家や建物が近い窓」、「道路を近くに面する窓」、「マンションの階段やエレベーターなどが近い窓」などがあげられます。つまり自分が意図しないエリアで火災が起きた場合にその延焼を受けやすいという場所。隣戸の場合は隣が火事の場合、道路に関してはあらゆる状況を想定して、エレベーターや階段に関しては他の階での火災における火や煙の通り道になりますからね。

そんな場所で火災が起きても網入りガラスならガラスは割れても網が残っていますので、延焼が食い止められると言うことなんです。でも実際の所、この網入りガラスを設計者が好んで使うことはあまり無く、あくまで建築基準法で規定されているから使う場合が多いんです。

その結果、同じ面の複数のガラス窓でも1つは網入りでもう1つは網無しということもありますからね。そういう場合は片方が隣戸に近いが故にそうなっている場合もありますからね。

それはさておきこの網入りガラスの勘違いの話。この網入りガラスは一見、ガラスに鉄線などが入っていて強度が高くなっているように思う人もいるかと思いますが、実際はその逆。網入りガラスはガラスの中でもかなり強度が低いんです。以前、網入りガラスを見て「強化されたガラス」と言っている人がいたくらいですからね。逆なんですけどね・・・。

というのも網入りガラスはその鉄線を入れるためにガラスを2つに分けてしまうことになり、実際の強度はその分かれている1つの厚さぐらい弱くなってしまうんです(実際の強度は諸条件で差異します)。なので建築家からするとこの網入りガラスはとても割れやすいガラスという認識であり、強度が強いガラスという解釈とは正反対なんです。

しかも単価が高いのであまり使いたくはないのですが、いかんせん建築基準法で延焼のおそれがある部分には使わないと確認申請が降りませんからね。なので仕方なく使っている感じです。

割れやすくてしかも単価が高いこの網入りガラス。特に透明ではなくガラスの表面が凸凹しているくもりガラス的なものに関してはさらに強度が弱いので、網入りガラスは最低限の場所だけに使うのがおすすめです。

確かに防犯性は高いですが、強度があまりに弱くてしかも単価が高い。

これから網入りガラスを見ても「強化されたガラス」ではなく「防犯性や防火性は高いけど割れやすいガラス」と判断しましょう。


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